全日本民医連は、戦前の無産者診療所運動の伝統を引き継ぎ1953年に結成されました。無差別・平等の医療・福祉の実現をめざす民医連綱領に賛同し加盟する医療・介護・福祉事業所の連合会です。
患者・利用者の方々に自分たちが出来うる最高の医療・介護サービスを提供するとともに、同時に、経済的理由などで医療・介護を受けることが出来ない人々の人権が守られるような社会の実現に向けて取り組んでいます。
そして、日本国憲法が掲げる個人の尊厳や平和主義、健康権のかけがえのない価値を学び、地域の中で憲法の理念が活かされるようなまちづくりにも挑戦し続けています。
民医連は、すべての都道府県に事業所を置き、病院142、診療所487、歯科78、訪問看護ステーション236、保険薬局350、看護・介護学校8、検査センター2、老健施設51、特別養護老人ホーム37、介護系施設など合わせて1766事業所があります。(2021年7月末段階)
兵庫県では、戦後の荒廃のなか、医療に恵まれない人々の切実な医療要求に応えようと、1948年に神戸協同診療所(現在の神戸協同病院)が神戸市長田区に誕生し、その後の県下各地での民主医療機関づくりの運動の中で、1952年11月に兵庫民医連が結成されました。
半世紀以上を経た今、兵庫民医連に加盟する事業所は13法人(病院4・医科診療所18、歯科診療所6、訪問看護ステーション16、薬局15、訪問看護ステーション16、老人保健施設1、特別養護老人ホーム4、介護・福祉系事業所50)が加盟しています。(2021年7月末段階)
また約19万人(世帯)の「共同組織(医療生協組合員・互助組合組合員)」とともに、「誰もが安心して住みつづけられる街づくり」をめざし、医療・介護・福祉のネットワークを拡げています。
私たちは医療・介護福祉に携わる者として、人間を傷つけ命を奪う戦争と、一切の戦争政策に反対し、核兵器の廃絶を求めます。「戦力を保持しない。国の交戦権を認めない」とする憲法9条を掲げ、戦争をしない国でありたいと願っています。唯一の被爆国日本が、核兵器廃絶に向け真摯に取り組むことを強く求めます。
また、憲法改悪に反対し、日本国憲法を暮らしの中に活かす政治を求めます。
日本国憲法25条には、「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」。とあります。基本的人権の尊重を明記した日本国憲法を守り、社会保障制度の切り捨て・縮小に反対し、国の責任で制度の充実をさせることを求めています。
救急や周産期医療の崩壊の危機、中小病院の閉鎖が相次いでいます。背景にある医師・看護師不足を解消し、日本の医療の充実を求めます。
貧困や格差の広がりのなかで、医療・介護が受けられない深刻な事態が広がっています。私たちは、命をお金で差別する混合診療に反対するとともに「差額ベッド料」はいっさい頂かず、診療費の減免制度である「無料低額診療事業」制度に積極的に取り組んでいきます。
私たちは命と暮らしを守り「安心して住みつづけられるまちづくり」の取り組みを、民医連の運動を共にすすめるパートナーである「共同組織」(医療生協の組合員や友の会会員・全国370万人)と、地域の方々とともにすすめます。